孤独死について
1.
孤独死とは |
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1.1 孤独死とは |
1.2 孤独死の定義 |
1.3 孤独死と孤立死 |
1.4 孤独死の統計 |
2. 孤独死防止対策 |
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2.1 行政の取組 |
2.2 自治体の取組 |
2.3 NPO,ボランティアの取組 |
2.4 企業の取組 |
3. WLJの取組 |
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3.1 にこにこサポート |
3.2 にこにこ新聞 |
3.3 ふれあいマルシェ(ふれあいひろば) |
現在、「孤独死」という言葉には、明確な定義はない。
法的定義もなく、警察による死因統計上は変死として扱われる。
一般的に、「一人暮らしをしていて、誰にも看取られずに亡くなった場合」(東京新聞)をいう。
他にも
「だれにもみとられずに、死亡すること。特に、一人暮らしの高齢者が自室内で死亡し、死後しばらくしてから遺体が発見されるような場合についてい う。」(三省堂 スーパー大辞林 3.0より)
ちなみに
「孤独」・・・・・(名・形動)頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。
「死」・・・・・・・死ぬこと。生物の生命活動が終止すること。⇔生 (三省堂 スー パー大辞林 3.0より)
とある。
先にも述べたとおり、「孤独死」には、明確な定義はない。
定義がないため、「孤独死」の解釈がさまざまである。
例えば、
UR都市機構の場合
『「病死又は変死」事故の-態様(意:物事のありさま。状態。ようす。)で、死 亡時に単身居住している賃借人が、誰もが看取られることなく、賃貸住居内で死亡した事故をいい、自殺又は他殺を除く。』
さらに、2011年、発見までの期間を定めました。
「一週間を超えて発見されなかった事故」(2011年12月29日東京新聞より)
新宿区の場合(平成18年11月16日高齢者保健福祉推進協議会資料より)
(区が孤独死対策を講ずべき対象者を)「二週間毎程度に見守る者のいない、独居又は高齢者のみ世帯の高齢者」
「クリニック希 望」医師:額田勲氏(ひとり 誰にも看取られず/NHKスペシャル取材班他より)
「孤独死とは低所得で、慢性疾患に罹病して、完全に社会的に孤立した人間が、劣悪な住居もしくは周辺で、病死および自死に至るとき」
日本女子大学教授:岩田正美(ひとり 誰にも看 取られず/NHKスペシャル取材班他より)
「すでに社会的関係が絶たれていて、その結果誰も気づかず、死後かなりたって から、第三者に発見された場合」
など、定義は様々ある。
孤独である状態の解釈と発見までの期間が要点である。
行政では、「孤独死」ではなく「孤立死」という名称で表現。
○「高齢者等が一 人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議」(「孤立死」ゼロを目指して)報告書より
と、孤立死に対し、説明。
厚生労働省に「定義しない」理由を問合せたところ、、
「定義化によって、その枠に漏れる方の支援ができなくなる」 とのこと。
「孤独死」の類似語に
「孤独死」・・・『社会から「孤立」した結果、死後、長期間放置されるような「孤立死」』
「独居死」・・・「一人暮らしではあっても肉親や社会との交流のある人が、心臓発作などによって誰にも看取られずにすること」(額田勲氏)
「無縁死」・・・「ひとり孤独に亡くなり引き取り手のない死」(無縁社会/文藝春秋)
「行旅死亡人」・・・「住所、居所、もしくは氏名が知れず、かつ(遺体の)引き取り者なき死亡人とみなす。」(行旅病人および行旅死亡人取扱法、第一条第二項)
など、似た言葉が多くある。
1.4 孤独死の統計
現在、全国規模の孤独死の統計はない。
統計のない理由として、「定義が曖昧」、「個人情報(プライバシー)」等がある。
今後、国が統一基準(定義)し、実態把握する必要があると考える。
毎日新聞の調べでは、統計を取っているのは宮城、高知、鹿児島の3県。宮城県は08年、鹿児島県は11年から毎年実施。高知県は今年初めて実施した。その結果、宮城県ではが06〜08年度に計29人発生し、09年度12人、10年度7人。高知県では11年度以降に62人、鹿児島県は10年度24人だった。(2012年09月02日毎日新聞)
東京都23区における孤独死の実態/東京都監察医務院(平成22年12月9日)
UR都市機構/住戸内死亡事故発生件数 (平成19年8月28日)
2011年鹿児島県内孤独死/(2012年2月10日読売新聞)
なお、福岡県(福岡市)にも、孤独死(孤立死)の定義、統計はない。